その診断名では認められない!!
2025/09/27
こんにちは、東京都北区で障害年金の相談・裁定請求に特化した事務所を運営する
社会保険労務士の中村健司です。
今回は、障害年金の請求をする場合の診断書の病名(精神障害の場合)について
考察していきたいと思います。
【初診時の病名は特に問われない…】
前回のブログでも記載しましたが、障害年金の請求においては初診時の病名は、
たいして重要視されていません。
精神の障害の場合、初診の病名については神経症に属するもの(不安障害・パニック
障害等)が多いと思われますし、以前私が取り扱った事例では「軽度の物忘れ」??
という病名もありました。
初診の証明の場合は‥・「本当に初診であるのか?」「受診をしているのか」に重点が
おかれるため、病名はさして問題視されません。
【初診の病名が特に問われないのは…】
精神の障害の場合、正式な診断名が確定するのは初診から6カ月ないし1年経過後
と言われています。
初めは、神経症に分類される病名でも受診を重ねていくうちに、神経症から
統合失調症・うつ病・双極性障害・発達障害に類する病名に変更になることは多々
見受けられます。
【障害年金請求時の病名は?!】
精神の障害の場合、障害年金の請求ができるのは、初診日から1年6カ月(障害
認定日)以降となります。
この時期には、病名も確定しているものと思われます。
精神の障害で、障害年金を請求する場合の診断書の病名は…
① 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害並びに気分障害
② てんかん
③ 症状性を含む器質性精神障害(例として:高次脳機能障害)
④ 知的障害
⑤ 発達障害 に限定されています。
※②のてんかんを除き、診断書は精神科医が記載することになります。
てんかんについては、精神科医に加え脳神経外科または脳神経内科医でも診断書の
記載が可能となります。
【神経症・人格障害はNG?!】
それでは、上記5つの診断名以外の精神障害は、障害年金ではどのような立ち位置
になっているのでしょうか?
障害年金の裁定請求において、必ず参照する「障害認定基準」なるものが存在します
私も、裁定請求する際には必ず必要項目については熟読します。
それでは、障害認定基準には神経症・人格障害についてどのように書かれているので
しょうか?
【人格障害については…】
障害認定基準には、人格障害については以下のように記載されております。
→ 人格障害は、原則として認定の対象とならない。
【神経症については…】
障害認定基準には、神経症については以下のように記載されております。
→ 神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則
として、認定の対象とならない。
ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態 を示しているものについては、統
合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う
【要はNGなの?!】
人格障害については、障害年金の対象となりません。(理由は、わかりませんが…)
神経症については、原則NG。但し精神病の病態(上記5つの病名)を示して
いるものについては、障害年金の対象となる?!という事になります。
なんだか…よくわかりませんが…
【神経症で請求するには?!】
神経症に属する病名で請求するには、テクニックが必要となります。
まず…
① 診断書の病名は変えられないので(神経症に属する病名となります)
② 診断書裏面の「備考欄」に精神病の病態(上記5つの病名に移行している、
または上記5つの病名の症状が出現している旨及び該当するICD-10コードを
記入することにより請求可能となります。(審査結果はわかりませんが…)
※神経症に属する病名の場合には、主治医に障害年金の対象となる病名に変更
可能であるならば、変更してもらえば障害年金の裁定請求はスムーズに行えます。
但し、障害年金が支給されるか?されないか?は別問題となります。
※障害年金を請求する場合には、上記のように細かい箇所まで注意を払わなければ
いけないため、膨大な資料の読込や調べることも増えてきます。
障害年金の裁定請求でお困りの場合には、お気軽にお声がけください。
微力ながらお手伝いさせていただきます。
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