中村社会保険労務士事務所

初診日の変更が認められた件について

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初診日の変更が認められた件について

初診日の変更が認められた件について

2025/10/11

こんにちは、東京都北区で障害年金の相談・裁定請求に特化した事務所を運営する

社会保険労務士の中村健司です。

 

今回は、私が扱った事例で、社会的治癒を援用し初診日の変更が認められた結果

障害厚生年金の支給が決定されたものとなります。

☛この事例は、つい最近支給決定されたものとなります。

 

返礼・不支給になることを覚悟して裁定請求書を年金事務所に提出しましたが…

支給決定されて…今は「ほっと(^^)/」しております。

 

それでは…

【社会的治癒とは何ぞや?!】

【社会的治癒を援用する場合とは?!】)

【社会的治癒を援用する場合の必要条件】

【社会的治癒は必ず認められる?!】等基本的な事を説明したのちに…

今回の事例について、検証を加えて行きたいと思います。

 

【社会的治癒とは何ぞや?!】

 社会的治癒とは、障害年金の請求において、傷病が医学的に治癒していなくても、症状が消滅し社会復帰が可能となり、通常の社会生活(就労や家事など)を一定期間継続していた場合、その期間の後の受診日を新たな初診日と認める考え方です
 

【社会的治癒を援用する場合とは?!】)

 ・本来の初診日の証明ができない場合

 ・本来の初診日では、保険料納付要件を満たさない場合

 ・本来の初診日が国民年金加入時の場合等

 

【社会的治癒を援用する場合の必要条件】

 ・通院/服薬をしていない。

 ・通常の社会生活(就労や家事など)一定期間継続していた事。

 ・就労していた場合には、昇給・昇格があること。

 ・人生において、大きなイベント(結婚・出産・子の誕生・住居の購入等)

  があった場合等が挙げられます。

 

【社会的治癒は必ず認められる?!】

 社会的治癒は、請求者が主張することは可能だが、認めるか?認めないか?は

 日本年金機構の判断によります。

 ☛社会的治癒を認めさせるには、病歴・就労状況等申立書に前期に掲げた【社会的治癒

  を援用する場合の必要条件】を盛込むことが必要となります。

 

それでは、事例を見ていきましょう。

 

【事例研究…社会的治癒について】

 ① 性別/年齢:男性/30代

 

 ② 傷病名:躁うつ病(診断書の傷病名となります。)

 

 ③ 障害年金請求までの経緯

☛高校生の頃、家庭の事情や友人との関係、失恋したことにより自殺を企てるが

 救急搬送され一命をとりとめる。(この時の病名は双極性?)

 高校卒業後、一般企業に就職、営業職に従事。

 仕事は順調で、給与や賞与も営業成績に見合った額が支給されたため特に不満も

 なかった。

 30歳頃、結婚・子が誕生する。この頃から営業成績が伸びず上司に叱咤される

 ことが増え、成績を伸ばすために自ら進んで長時間労働や顧客の要望であれば

 休日出勤もするようになった。

 長時間労働・休日出勤をしても思うように営業成績が伸びず、仕事の事以外の事

 を考えることができず、不眠や朝・日中の倦怠感に悩まされる。この頃から

 上司や同僚の仕事上の発言が理解できなくなる。

 「何かがおかしい?」と感じ医療機関を受診。躁うつ病と診断される。

 主治医からは、仕事を離れ休息が必要であると言われたが、家族がいるため

 仕事は辞められないと話をした。主治医からは無理をしないように就労する

 ようにアドバスされたが、病気のことは会社にクローズして働いていたので

 営業成績を伸ばすためには、長時間労働・必要があれば休日出勤もした。

 ある日、朝起きられず1日中どんよりした気分で過ごす。明日会社に出勤

 しなければいけないことを考えるとパニックになり、緊急で医療機関を受診

 「休職が必要である」との診断書を作成してもらい、メールにて会社に送付

 し退職をした。

 

 ④ 当事務所に障害年金請求の依頼あり

☛上記の事情を聴いたのちに、資料収集に入る

 

 ⑤ 必要資料

・本来の初診の証明(高校生時代の傷病)

・現症の診断書

・病歴・就労状況等申立書

・その他、障害年金の裁定請求に必要な資料

 

 ⑥ 社会的治癒の可能性を探る

・本来の初診日から現在まで、約18年経過、その間に精神科を受診していないし

 服薬もしていない。

・学校卒業後、一般企業に就職を社会保険料も納めている。

・結婚・子の誕生等人生の大きなイベントを既に経験している。

 上記の理由により、社会的治癒を援用し、本来は20歳前傷病であるが、就労して

 から、受診した医療機関を初診とし障害厚生年金で請求。

 ※本来は20歳前傷病として、障害基礎年金として請求すべきものとなります。

 

 ⑦ 依頼者への説明

・本来は、基礎年金で請求すべきであるが、本来の初診日(高校生時代)から

 現在受診している医療機関を受診するまでに約18年と期間が空いているので

 障害厚生年金で請求すること。

・障害厚生年金で請求した場合、支給決定されれば基礎年金より年金額が多い

 こと(報酬比例分・配偶者加算が加わるため‥)

・障害厚生年金で請求し結果が不支給の場合には、障害基礎年金で再請求すること

 以上の条件を依頼者に説明し承諾を得る。

 

 ⑧ 裁定結果…障害厚生年金2級決定(遡及あり)

 

 

※支給決定されるまで、少なからず心配しましたが今はホットしています。

 

※社会的治癒については、通常の社会生活(就労や家事など)を一定期間継続していた

 期間がおおむね5年とされていますが、精神障害の場合は通常の社会生活(就労や

 家事など)をおおむね10年以上継続できていることが審査条件のようです。

 

 ※社会的治癒を援用する場合、新たな初診日から1年6カ月経過後に請求可能と

  なりますので注意が必要です。

 

 ※ご自分で障害年金を請求する場合、相談先は年金事務所になると思いますが…

  このようなケースの場合、社会的治癒等の説明や請求方法等説明がなく、原則の

  障害基礎年金での請求になると思います。社会的治癒を援用し受取る年金額が

  多くなることを考慮した場合を想定して、障害年金専門の社労士にご相談ください。

  このケースに限らず、障害年金を請求しようかな?障害年金を請求したいとお考えの

  方は、1回だけでも社労士に相談することをお勧めします。(初回の相談は無料の

  事務所が多いため)

 

 長くなりましたが今回はこの辺で終了といたします。

 くれぐれも、「損をしない」障害年金の裁定請求を行ってください。

 

 

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