傷病手当金と障害年金
2025/12/04
こんにちは、東京都北区で障害年金の相談・裁定請求に特化した事務所を運営する
社会保険労務士の中村健司です。
本日のテーマは傷病手当金と障害年金についてです。
健康保険に加入されている方が、心身の不調により休職される場合に、休職している
期間のご本人とその家族の生活を保障するための制度が、傷病手当金となります。
傷病手当金の支給条件とは?心身の不調が長引きそうな場合、傷病手当金から
障害年金への移行はすぐにできるの?等を取り上げいきたいと思います。
【傷病手当金とは?】
健康保険に加入されている方が、心身の不調により休職される場合に、休職している
期間のご本人とその家族の生活を保障するための制度が、傷病手当金となります。
【傷病手当金が支給される条件】
①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること。
→業務上・通勤災害によるものや病気と見なされないもの(美容整形等)は対象外
②仕事につくことができない事
③連続して3日間病気やケガにより休業している事・休業期間中の給与が支払われて
いないこと。
【傷病手当金支給期間】
支給を開始した日から通算して1年6カ月。
【傷病手当金の金額は?】
日割り計算となります。
1日当たりの支給額は、概ね給与(標準報酬月額)2/3
【退職後の傷病手当金】
退職日等までに健康保険の加入期間が継続して1年以上あり、退職日の前日に
傷病手当金を受けている事。
【退職後も傷病手当金は受給できるのか?】
上記【傷病手当金が支給される条件】を満たしている場合には、退職後においても
傷病手当金の受給は可能となります。
【同一の傷病については1回限り…要注意】
傷病手当金は、同一の傷病について1回限り受給可能であり、複数回の受給は、
認められていません。
→パニック障害などの神経症で傷病手当金を1年6カ月受給。その後うつ病と
診断された場合…うつ病での傷病手当金は受給できません。
パニック障害などの神経症もうつ病も精神病の範疇と見なされるためです。
【傷病手当金から障害年金への移行】
傷病手当金を1年6カ月使い切っても心身の状態がよくならない場合には、傷病
手当金から障害年金への移行が考えられます。
以下では障害年金の特性・傷病手当金から障害年金への移行準備はいつから始めたら
いいのか・傷病手当金と障害年金を同時に受給した場合のデメリット等について
考えて行きたいと思います。
【障害年金の特性】
とにかく時間がかかることが挙げられます。傷病手当金を受給していても、すんなり
障害年金が受給できるわけではありません。
障害年金を受給するためには、初回のプロセスを踏まなければなりません。
初診日の確定・納付要件のチェック・診断書の作成・その他もろもろの資料の収集
年金事務所への提出・支給決定・初回振込まで約5~6カ月の期間を要します。
傷病手当金の支給終了または支給終了寸前に障害年金の手続きを始めても、お金が
入らない期間が相当期間あるため必然的に生活が苦しくなります。
【障害年金の準備はいつから始めたらよいのか?】
障害の状態が長引きそうだな?と思ったら、障害年金の振込まで約6カ月かかるとして
傷病手当金終了前6・7か月前から障害年金請求の準備を始めるのがベストだと思われ
ます。準備が早いほど無収入の期間が短縮される可能性があるからです。
【傷病手当金と障害年金を同時に受給した場合】
傷病手当金受給中に、障害年金を受給した場合、傷病手当金の日割り金額と障害年金の
日割り金額の大きい金額が支給限度額となります。
→傷病手当金の1日の支給額10,000円、障害年金の1日の支給額3,000円の場合
障害年金から3,000円支給、傷病手当金から7,000円支給…合計10,000円となります。
傷病手当金は、支給制限がかかるのがデメリットですが、傷病手当金終了後も引き続き
障害年金が支給されるのがメリットになります。(無収入期間がないので…)
如何でしたでしょうか?本日は傷病手当金と障害年金の関係について記載してきました
傷病手当金や障害年金に限らず国の制度を理解し利用することは大変重要な意義を持って
います。
「損をしない」生き方をするためにこれからもいろいろと情報発信をしていきたいと
思っております。
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